入院生活がはじまりました。
白金製剤が入ったシスプラチン
タキソール・パクリタキセルこれらの抗がん剤を試してみる事になりました。
抗がん剤の点滴が終了したころから 激しい吐き気が1週間続き
食事や水分さえもとれなくなりました。
そんな辛さも何も言わず、ただ治る事・・・薬が効くことを信じ頑張っている主人
そんな強い主人も 脱毛にはショックが大きかったようです。
治療開始から1ヶ月半たったころから 抜け毛が多くなり
覚悟はしていたつもりでも、頭を洗って排水溝に山の様な自分の抜け毛を見たときは
かなり落ち込んでいました。
あっという間に 髪の毛はマダラになり・・・体毛は全て抜け
見るからに別人になってしまいました。
そんなときでも主人は 明るく、同じ病室の人にバリカンを借り
残り少なくなった髪を刈り、さらにカミソリで剃り スキンヘットにし子供たちから笑いをとったりしていました。
3ヶ月の長い入院も もうすぐ終わりです。
こんな辛い治療をしたんだから 少しは良くなっているかもという期待で
医師から話を聞く
「残念ながら治療の効果は ありませんでした」
「・・・・・・・・・・・・。」
こんなに辛い思いをして、何も効果が無いなんて・・・・本当に、この治療が必要なのだろうか?
抗がん剤にはいろんな種類がある、何か1種類ぐらいは効果があるかもしれない・・・。
そんな希望を抱き 新たな治療にはいる。
入退院を繰り返し 1ミリ小さくなったと喜び、大きくなった気がすると落ち込む生活を繰り返していた・・・。
そのうち主人が藁にもすがる思いからか、健康食品や宗教ちっくなものにも手を出し始めたけど
何も言わず、私も一緒に協力することにした。
遠くに癌に聞く水があると聞けば、水を汲みに行ったり、温泉が良いと聞けば出かけたり
本当にいろんな健康食品を試してみたりもしました。
家族の旅行も、体調の良いときに出かけたりした。
その時の沖縄旅行は、子供たちにも鮮明に記憶に残っているみたいです。
そんな事を繰り返している間に1年が経ってしまった。
どんどん進行して行く病気 弱っていく体力
何もしてあげられない無力感・・・・・ただ傍で “大丈夫だよ”と笑っている事しか出来ない私
頑張っている主人に、これ以上頑張れとは言えないけど・・・・
家族のため自分の為にも もっともっと頑張って欲しいと願う
そんな願いもむなしく脳転移が7箇所 骨転移が4箇所 どんどん増えていき
激しい痛みを抑えるための 鎮痛剤の量が増えていった。